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時を重ねるごとに、深まる佇まい。 サスティナブルな住宅外壁材。

2020-04-03

40年メンテナンス不要の米杉。

2年前「米杉の神様」と言われる、鎌倉の工務店にお伺いしてお話を伺いました。米杉(ウエスタンレッドシダー)は、北米では外壁だけでなく屋根にも採用しているほど当たり前な材料。「佇まいの変わらない家づくり」を実現させるために必要なマテリアルとして、その工務店では無塗装のまま外壁に使用しているとのこと。実際に鎌倉山内の施工物件。10年、20年、30年、40年前に建てた建物の外装を見せてもらいました。
年を追うごとに元々の木の色素が抜け、段々とグレーイッシュになっていき、時間と共に深みが増す。その様はまさに、住まい手と共に年を重ね建物としての風格が増していくようでした。驚いたのは、ほぼノーメンテナンスだということ。当然木なので節が抜けたりなどはあるものの、サイディングなど定期的な塗装や張替えが必要な材料とは全く違います。30年・40年の物件を見ると、新規のお客さまは「外壁はこれで」と、おしゃるそうです。


地産地消・日本の杉を使った外壁。

高度成長期の新築一辺倒の時代は過去の話。世界中でSDGsに代表されるような、サスティナブルでエシカルな価値観が主流になりつつあります。そんな時代、この新潟で家を建てるなら、国内の杉、県産杉を使うことで地域社会への貢献にもなります。しかし日本の杉は、緯度の高い場所で育ち、目の詰まった木として高い耐久性のある米杉とは異なるため、屋外で使用するには塗装が必要となるのです。そこで、エコ・ウッド・トリートメント(※)を含侵することで日本の杉も耐久性に富んだ状態となり、外壁への使用が可能になります。
西日・北西の風が強く、風雪の影響もある新潟県の家は、屋根・外壁の選択がとても重要です。定期的にメンテナンスを必要とするサイディングではなく、米杉に匹敵する高耐久加工を施した日本産の杉を使う。そんな選択をしています。

郊外の牧歌的な風景に溶け込み、かつ住宅地の中で特徴的な外観アプローチを実現できることに、大きな魅力を感じています。



※エコ・ウッド・トリートメント
木の国北欧生まれ、カナダ育ちの水性粉末木部保護剤。環境にやさしく、いやな臭いもなく人畜無害、半永久的耐久性を持つ製品。木造リゾート住宅、ログハウス、木塀、フェンス、ウッドデッキ、バルコニー、エクステリア家具、プランター等から自然公園内の公共建築物(木道、木橋、案内板等)の木材保護剤として使われています。化学薬品を使った着色剤と異なり、天然の素材のみを使って調合、毒性のある成分を含みません。 環境保全と安全性に対する認識が高まっている、現代のニーズに応える木部保護剤です。