好奇心を詰め込んだ、 遊び心と暮らす家。
趣味を詰め込んだプレイルームがほしい。
Aさまのご希望は、最初の段階からとても明確でした。玄関から靴のままアプローチできる、趣味の部屋がほしい。サーフィン、ゴルフと数々のご趣味をお持ちで、ふたりのお子様はサッカー。アクティブなご家族にとって、趣味の道具に囲まれる空間は、自分がいちばん自分らしくいられる場所。ですから、壁や室内も、装飾は一切せずシンプルにしたい。そんなご希望でした。コンクリート打ちっぱなし、壁もあえて基礎をそのまま。すべてをプロが作り込むのではなく、そこに暮らす人が、自分の理想を自分自身の手で作り上げる。そんな家があってもいいと、PaddyFieldは考えます。このプレイルームも、サーフボードの見せ方、ウエットスーツの掛け方、すべてご主人がご自分で考えて完成した空間です。
アイデアを実現してくれた、ご友人の心意気。
もうひとつの、この家の遊び心。それは、ボルダリングが楽しめる吹き抜けです。こちらもご主人のアイデアで、しかも「取り付けは自分で」というご希望でした。ある日、京都のご友人に「家を建てるんだけど、室内にボルダリングができるスペースをつくりたい」と何気なく話したところ、「じゃあホールドは新築祝いに贈らせて」と、後日送られてきたのだとか。ところが、取り付けようとしたらボルトがない。サイズや厚みによっても必要なボルトのサイズも異なるため、ご主人がとった行動は「ボルトメーカーに出向いて探す」でした。ものづくりの街が近いからこそできたことかもしれません。まだ家具が入る前のリビングで、ひとつ一つホールドを取り付けた、そんな思い出も家、そして家族の歴史・記憶となっていくのでしょう。
斬新と思った間取りにも、動線という理由があった。
最後に、ご主人にこの家の住み心地について伺っていますのでご紹介します。
「この家は、入るとまずキッチンなんです。最初は、斬新だなーと思いました。日本の家って、玄関があって廊下を通って居間に入る、というのが一般的ですよね。でも、家を建てる前に住んでいたアパートを思い出したんです。そこは2階にキッチンがあったので、重い買い物をした時が大変で。まして女性が一人で運ぶとなると大変ですよね。動線って重要だなということに、そこで気づいたんです。そしてダイニングテーブルは、季節によって位置が変えられるようにスペースをとってもらいました。冬は入り口から遠いリビング寄りに、それ以外の季節は風を感じる入り口近くに。フレキシブルに暮らし方を選べるんです。元々何かを作ることが好きで、このダイニングテーブルを作る時にでた端材をもらって、コート掛けや歯ブラシ立てを自作しました。そんなことのひとつ一つが楽しいんですよね。最近は、子供のサッカー教室への送り迎えで、なかなか休日もまとまった時間が取れませんが、送ってから迎えの合間にサーフィンに行ったり、自分の時間も意識して大切にしています。」